★ジフテリアとは
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。
1981年にDPTワクチンが導入され現在では患者発生数は年間10名未満ですが、ジフテリアは感染しても10%程度の人が症状が出るだけで、残りの人は不顕性感染のため、保菌者となり、その人を通じて感染することのあることがよく知られています。
感染は主に咽頭ですが、鼻にも感染します。
症状は高熱、のどの痛み、犬吠様の咳、嘔吐(おうと)などで、偽膜を形成して窒息死することがある恐ろしい病気です。
発病2〜3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺をおこすことがありますので、注意が必要です。
最近ではロシアで流行がありました。予防接種を続けていかないと再び流行する可能性があります。
●飛沫感染(ひまつかんせん)
ウイルスや細菌がせきやくしゃみなどで細かい唾液とともに空気中へ飛び出し、空中を飛んでいって人に感染する方式です。 |
★百日せきとは
百日せき菌の飛沫感染で起こります。
1956年から百日せきワクチンの接種がはじまって以来、患者数は減少してきています。
当時は菌体の入ったワクチンでしたが、現在では副反応の少ない新型の精製ワクチンを使っています。
百日せきは普通のカゼのような症状ではじまります。
続いてせきがひどくなり、顔をまっ赤にして連続的にせき込むようになります。 せきのあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。 熱は出ません。
乳幼児は咳で呼吸ができず、チアノーゼやけいれんがおきることがあります。
肺炎や脳症などの重い合併症をおこします。
乳児では命を落とすこともあります。
1970年代後半に予防接種率が低下した際、百日せき患者が多数出て、113名の死者を出しました。
このようなことを繰り返さないためにもぜひ予防接種を受けましょう。
★破傷風とは
破傷風菌はヒトからヒトヘ感染するのではなく、土の中にひそんでいます。 ヒトヘの感染経路は傷口です。
傷口から菌が入り体の中で増えますと、菌の出す毒素のために、口か開かなくなったりけいれんをおこしたり、死亡することもあります。
患者の半数は自分では気がつかない程度の軽い傷が原因です。
この病気は人にうつるのではなく土の中にいる菌が原因ですが、日本中どこでも菌はいますので、感染する機会はあります。
またお母さんが免疫をもっていれば新生児の破傷風もふせげますので、ぜひ予防注射を受けておきましょう。 |