お知らせ
【コロナ感染症と精神症状】
コロナ感染症の蔓延により私たちの生活環境が変化し、さまざまなストレスがかかるようになっています。厚生労働省の調査でも、約半数の人が不安を感じていると報告されています。不安の内容として、自分や家族への感染の不安、仕事や収入への不安、人間関係の変化や孤立などが挙げられています。また、不安障害やうつ病などを発症する人や自殺者数が大幅に増加しているという報告もされています。
【コロナ感染症と心のケア】 このようなストレスがかかる環境の中で、こころのケアのためには何が重要でしょう。 ① 規則的な生活リズムを保つ できる限り起きる時刻と寝る時刻を一定にし、昼寝は30分以内にしましょう。できれば朝に太陽の光を浴びると睡眠に関するホルモンが増えて睡眠が改善しやすくなります。睡眠前のスマホやパソコンの使用はこのホルモンが減るので控えましょう。なお、睡眠時間を調整するときには、起きる時刻で調整することが重要です。寝る時刻で調整しようとすると、眠れないことで不安が強まる「不眠恐怖症」になることがあります。 ② 人との交流の機会を保つ 人との交流なしに心の安定を保つのは困難です。オンライン授業や在宅勤務などが増えた上に、コロナ禍で交流の場が減っています。毎日、他人とできれば対面で接する機会を確保したいものです。 ③ 運動する習慣を 運動することにより、ストレスが解消されることが確かめられています。ジムなどで行う運動もよいですが、定期的な散歩などでも十分に効果があります。運動すること自体、免疫が強まることも報告されています。 ④ 強い不安・落ち込みや不眠には医療機関受診も 不安が強く、コロナ関係の情報から目を離せず仕事や家事がおろそかになる、手が荒れるほど手洗いをくりかえしても気が済まない、などの強迫症状がある場合や、2週間以上落ち込みや疲れやすさが続く場合などは、医療機関を受診したほうが良いかもしれません。
このように、心のケアをすることによって心を安定させることは、免疫を強めることになり、ひいてはコロナ感染症を発症させるリスクを軽減することになります。手指の消毒や適切なマスクの使用などとともに、心のケアはコロナ予防にとって重要なことなのです。 令和4年12月発行 救急便り133号より ながやまメンタルクリニック 横田 圭司 先生 |