お知らせ
めまいを大きく分けると、「中枢性」と「末梢性」とに分かれます。前者の中には生命予後に関わる緊急性の高い疾患も含まれ、めまいといえども注意が必要です。以下に、めまいが中枢性であるか末梢性であるかを鑑別するポイントをお示しします。めまいの診断には、実は問診が大変重要です。
まず、問診にて以下の①~⑥を確認します。 これらのうち一つでも該当するものがあれば「中枢性めまい」を疑います。 一側性の耳症状とともにめまいが出現した場合でも、もし問診で過去にも耳症状とめまいがセットになって反復していたことが判明した場合には、「メニエール病」を疑います。やはり早めの耳鼻咽喉科受診が推奨されます。 耳症状がないめまいの場合、起床時や寝返りを打った時等、頭位が変わることに伴って回転性のめまいが誘発され、頭位の変換で回転方向が逆転するような「良性発作性頭位眩暈症」が最も疑われます。病巣半規管の特定とそれに応じた浮遊耳石置換法をお受けになることをお勧めします。 耳症状がなく、頭位変換によって回転方向の逆転もない場合は「前庭神経炎」を疑います。感冒罹患後の発症が特徴的です。ご多忙な診察の折にめまいの患者さんが受診した際、本稿が少しでもお役に立てましたら幸甚です。 令和2年12月発行 救急便り125号より |