お知らせ

~鼻出血~

皆さん、今まで急に鼻血が出てビックリされた経験がおありでしょうか?まだまだ寒いこの季節に起こりやすい鼻出血。慌てて救急車を呼ぶ前に以下のことを試みて下さい。
1、まず落ち着いて服を緩め、リラックス、室温を下げてのぼせないようにすること
2、身体を起こし、鼻翼を親指と人差指で強く摘まんだまま10~15分間安静にすること
3、口の中に血が回ってきた場合は飲み込まず吐き出すこと
4、診療時間内であれば耳鼻科の専門医に診てもらうこと
昔の迷信で「首筋を空手チョップすれば止まる」なんてことがありましたが論外です。ティッシュを丸めて鼻に突っ込む方はまだまだ多いかもしれませんが、ティッシュの生地は硬いのでかえって鼻粘膜を傷付け、一時的には止まっても再出血の原因になることが多いのでやめましょう。血圧が上がらないよう安静にして鼻を摘まんで様子をみましょう。血液が多量に口の中に回って呼吸に支障がある、自力での移動も困難などの場合は救急車を呼びましょう。
◇鼻出血の原因
大人と子供で原因が異なることが多いです。子供の場合は、爪でいじるなど鼻粘膜が単に傷付いて出血していることが多いのに対し、大人の場合は、背景に高血圧が存在することが多いです。その他に出血性のポリープや腫瘍性病変、血液疾患などが関係している場合もあります。
◇治療
耳鼻科では出血部位の確認をして、止血剤の浸みたガーゼを留置して止血をすることが多いですが、なかなか出血が止まらない場合には、電気メスなどの凝固装置を使って出血部位の血管を焼き止める処置を行ったり、全身麻酔下で動脈をクリッピングしたりします。
止血の処置と併せて、出血原因となる他の病変を精査することが重要です。特に多量の出血が起きた場合、何度も繰り返し起こる場合は背景に大きな病変が潜んでいる場合があるので、耳鼻科専門医に診てもらうようにしましょう。

平成29年3月発行 救急便り110号より 
たかまつ耳鼻咽喉科クリニック院長 高松 俊輔