お知らせ
近年、少子化、核家族の世帯が多くなり、妊娠中のトラブルに対してどの様に対処してよいか分からないと言うお母さん方が増えてきています。今回は、そのなかでもよく相談をうける症状についてご説明したいと思います。
1.出血 妊娠初期には、多少の出血が起こる事があります。子宮頚部びらん、子宮頸管ポリープによる出血や、切迫流産による出血など様々です。病院にご連絡の際は、出血の量、色、痛み、持続時間、検診時に注意されている事などがあればお知らせください。 妊娠中期以降は、出血と共に痛みも続くと子宮口が開いてくる事があり、早産の危険性もあります。 2.つわり/妊娠悪阻(おそ) つわりは、妊娠初期の吐き気、嘔吐です。妊娠の半数位の方に認めます。妊娠悪阻は、その症状が重症化したものです。多少食事が出来れば良いのですが、食欲がなく、嘔吐が激しく、体重減少、精神的に不安定になるようであれば入院を考慮されたほうが良いと思います。この場合は、しばらく禁飲食とし点滴による必要最低限の栄養補給を行います。 3.腹痛 妊娠初期は、流産、子宮外妊娠などの緊急を要する状態もありますが、急性胃腸炎、便秘症、虫垂炎、膀胱炎などでも起こります。 妊娠中期以降も、痛みが周期的か不規則か又は、切れ目のない痛みなのかが症状の判断基準につながります。 4.妊娠37週以降 よく、陣痛や破水は分かりますか?という質問があります。 陣痛は、1時間に6回、又は10分に1回位の痛みです。何となく、いつもと違うお腹のはりがあれば陣痛と考えていいでしょう。また、破水は、シーツがびしょびしょになったり、やや生臭い感じの液体が認められれば破水と考えていいでしょう。色は透明からピンク、緑っぽいこともあります。透明でない場合は、胎児が苦しがっている兆候が考えられます。 以上これらの様な症状があれば、かかりつけの産婦人科または救急指定病院に連絡をして下さい。発症してからかなりの時間が経って、病院に連絡される方が時々見られます。手遅れにならないように、早めの連絡や受診に心がけて下さい。 最後に、深夜、救急病院を受診される場合は、①何週か(初産か経産)②症状(いつからか)③検診時に注意されている事などを、可能な限りご本人の口からお聞かせください。 多摩センターレディースクリニック 院長 増田 充 平成28年3月発行 救急便り106号より |